ミンティア太郎のブログ

ミンティア中毒の女が書く雑記

「潔く柔く」「バラ色の明日」だけじゃない! いくえみ綾のおすすめ作品:読み切り編

私が作者単位で追いかけている漫画家の1人、いくえみ綾さん。

いくえみ綾の新作」とあれば、とりあえず読んでいます。

 

こないだ、ドラマ化が決まっている「あなたのことはそれほど」についても色々書いたりしました。

mintiatarou.hatenablog.com

 

いくえみ綾さんは、たしか14歳で漫画家デビューされてて、活動歴はすでに35年以上。単行本もたくさん出てます。

代表作というと「潔く柔く」や「バラ色の明日」がよく挙げられますが、個人的には、いくえみさんの『読み切り短編』がすごく好きで、もっともっと色んな人に読んでほしいと願っているんです。そこで今回は、いくえみ綾さんの『読み切り短編』に絞った、おすすめ作品リストを作ってみようと思いました。

 

1.My dear B・F

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いくえみファンの中でも人気の高い作品(のはず)。いくえみ先生はいわゆるSF(すこしふしぎ)なお話をけっこう描かれているんだけど、これもそう。

凄く好きなセリフとかモノローグがあるのに、それ自体が盛大なネタバレだから書けなくて歯がゆいです。

 

2.プレゼント

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 これはね。もう泣いちゃう。今もこの記事書くためにちょっと読み返しただけなのに、泣けちゃったもんね。

学校という特殊で狭い社会の中で、ヒエラルキーの下に落ちないよう自分を捻じ曲げ、声のデカい奴に同調する。そんな経験のある方なら、胸に刺さる作品だと思います。

 

3.赤い月の話

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この作品には夢の中の描写があるんだけど、それがリアルですっごいの。

場面はいきなりすっとぶし、支離滅裂で意味不明だし、あぁ夢ってこんなだよなーって感じ。そして、そんな訳のわからない描写でさえ読ませてしまう演出力がまた凄い。いくえみ先生の漫画力の高さに感服する作品。

 

4.キスミークイック

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主人公の女の子がひたすらムラムラする話。それだけ聞くとエロそうですが、さっぱりと読めます。これはいくえみ先生の表現が上手いからってのはもちろんですが、主人公の見た目をおデブちゃんにした効果もあるでしょう(太った子に色気がないと言っている訳ではない)。「私はさかりがついて欲情してた」とか、けっこう激しいこと口走ってるのにね。

 

5.ブローチ

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 終わる寸前のカップルの、なんとも言えない空気感がビシビシ伝わってくる作品。ものすごい盛り上がりとかは無く淡々としてるんだけど、それがまたいい。リアリティのあるお話です。

 

6.アイスクリーム チョコレート

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小学校からの幼馴染「にーやくん」に片思いするさくら。彼女が長年募らせた恋心はやがて行き場を失い、とうとう主人公の体には異変が起こります。

これもSF(すこしふしぎ)系?…かと思ったらそうではなかった。って話。世にも奇妙な物語とかでやってそうです。好き嫌いはあるかもしれないけど、私はお気に入りです。

 

7.オススメボーイフレンド

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これほんとは読み切りではなく2話完結なのですが、どーしても入れたくて…。

ちょっと子どもっぽい(?)高校生の男女のとても可愛らしい恋物語です。1話目は女の子目線から、2話は男の子目線から描かれています。基本的にはコメディタッチですが、切なさにホロっとする場面もあったりして、恋愛漫画のお手本のような、とてもよくできた作品だと思います。

 

 

最後に、今回ご紹介した作品が収録されている単行本の中で、いくつかおすすめを挙げておきます。

 

▼ あっさりショコラ(仮)

 

記事に書いた「ブローチ」を含む全4篇が収録された、読みごたえのある短編集。個人的に、この頃の絵柄が一番キレイだと思うこともあって、いくえみ入門編としてもおすすめです。

収録作品:「あっさりショコラ(仮)」「ヘビークラウドノーレイン」「ブローチ」「キャベツの国から’03逡巡」

 

▼ プレゼント

 

記事に書いた「プレゼント」、他2篇が収録。やっぱり表題作が秀逸だとは思いますが、他の2つも全くテイストの異なる作品で、いくえみ先生の振り幅の広さを感じます。前述の「あっさりショコラ(仮)」と同時期の作品集で、絵柄もいいです。

収録作品:「プレゼント」「おうじさまのゆくえ」「あなたにききたい」

  

あと「いくえみ THE BEST」っていう短編集が2冊出てて、それも超おすすめなんだが今もう中古しか出回ってないみたいだった。古本屋で見かけたら是非読んでみてほしいです。

 

機会があれば、3巻以内で読めるいくえみ作品のおすすめも書きたいな。