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ミンティア太郎のブログ

ミンティア中毒の女が書く雑記

【映画】岡田准一主演「追憶」の感想(ネタバレ注意)

見てきた。こうやってブログに感想を書きたくなるぐらいには感動しました。

tsuioku.jp

数々の日本映画の名作を世に送り出してきた、監督・降旗康男と撮影・木村大作の黄金コンビ。
巨匠二人が9年ぶりにタッグを組んで挑むのが、本作『追憶』。
高倉健をはじめ、長年にわたり時代を代表する映画スターを撮り続けてきた二人が、
今作で主演に迎えるのは、その重厚な演技力から国民的人気を誇る岡田准一
共演には、小栗旬柄本佑長澤まさみ木村文乃安藤サクラ吉岡秀隆といった日本を代表する豪華俳優陣が集結した。
撮影は風情豊かな北陸の地を中心に行われた。
荒ぶる日本海立山連峰を臨む町並み、美しい間垣の集落、
能登半島に沈む夕陽など、観るものの魂を揺さぶる景観がスクリーンに焼き付けられた。
一つの殺人事件をきっかけに刑事、被害者、容疑者という形で25年ぶりに再会を果たした幼なじみの3人。
それぞれが家庭をもち、歩んできた人生が、再び交錯し運命の歯車を回し始める―――。

これから鑑賞する方に、先に伝えておきたいこと

ただ1つ、先に伝えておきたいことがあります。この映画、ヒューマンサスペンスとなってるけど、サスペンス要素は期待しない方がいいです。実際、一緒に見に行った人間は「真犯人は誰だ?ハラハラ…」的な映画と思って観ていたらしく、ガッカリしてしまったそう。むしろ、ヒューマンドラマの方に重きを置いた物語となっているので、そういうのが観たい方におすすめの映画です。

 

良くも悪くも、古き良き日本映画

 ※以下、ネタバレを含みますのでご注意ください。

全体的に良くも悪くも昭和感漂いまくりの作品でした。スタッフロールとか縦書きやし。硬派。ノスタルジーを狙ってるとかじゃなく滲みでちゃってるからね。映像やら演出やら設定から、そこはかとない渋さが。このキャストでこんな激渋な作品が出てくると思わなかったので、予備知識ゼロで鑑賞した私は少し面喰らいました。

とりあえず、設定だけでも聞いてくれます?

 

今から25年前の富山。親に捨てられた少年3人が、涼子という女性(安藤サクラ)の元に身を寄せ、共に生活していた。涼子にはかつて、大阪でソープ嬢として働いていた過去がある。ある時、当時の恋人でヤクザの男(渋川清彦)が富山に現れた。その男により、涼子と少年たちの平穏な生活は崩されることになる。なんやかんやで少年3人は共謀して、そのヤクザを殺すことにした。

 

…どうですか?昭和感がすごくないですか? 平成の世に、このような境遇の子供や女性がいないという訳ではありませんが、昭和の方が説得力があった気がする。

涼子の営む喫茶店も、地元のおっちゃんおばちゃんが集う、ほのぼのとした木造のお店で、少年たちが客にちょっとした悪さをしても、全員が温かく見守ってくれる。みたいなエピソードが映画の中で出てくるんですよね。

でもね、今から25年前って1992年ですよね。いくら田舎の喫茶店とはいえ、身寄りのない子供たちが店をウロウロしてて、その子供が客に対して何かやらかしたら、当時でも普通にクレームもんだと思うんですが。そんな状況もみんなが笑顔で受け入れて…。みたいな風景ってリアルじゃない気がします。

要は「昔は良い時代だった」と振り返るには、1992年は新しすぎる気がするんですよね。もう25年遡ってもいいんじゃないかと。

 

とにかく主要な登場人物の生い立ちから、本編には直接関係のない些細なエピソードまで、時代設定に違和感がありました。ま、私は松本清張サスペンスとか好きなんで、こういうテイストごと楽しめましたけど、時代にそぐわない設定のせいで気持ちが離れてしまう方もいるのでは、とはちょっと感じましたね。

『ヤクザ、孤児、ソープ(というよりむしろトルコ風呂)、殺人、北国』こんなキーワードにピンとくる人、古い日本映画も敬遠することなく観れる人なら問題なく、物語に引き込まれていくかと思います。

 

小栗旬がむかつく程イイ役 

主役は岡田准一なんですが、もっとも美味しい役どころなのは、小栗旬です。

小栗旬演じる啓太は、父親の後を継ぎ、富山で土建屋を切り盛りしています。臨月の妻、真理(木村文乃)との仲も良好で、真理と部下の前で啓太はこのような主旨のことを堂々と話します。

 

「男は本当に好きな女と結婚して、その女を守ってやりたいと思うからこそ仕事が頑張れるんだ。」

真理は里親に育てられ、生みの親の顔を知りません。そんな彼女が「私を産んでくれた人も、子どもを宿して嬉しかったのかな」みたいなことを言った時も

「絶対そうだよ!」

と即答します。(どっちもセリフはかなりうろ覚えです、すみません。)

臆することなく気持ちを伝える人だな~、と。それだけでもなんかイイな~、と私は思っていたのですが、ラストシーンですべての真実が明らかになった時、これらのセリフがまた輝きだします。

啓太がどういう思いで真理を愛し、結婚し、家族になったのか。そこには、とてつもなく大きな愛情があることが分かります。啓太という男は口だけ野郎ではなく、行動や生き方そのものに愛が詰まっているのです。腹立つくらいイイ役です。

この映画、ホントに小栗旬に泣かされたって感じです。特に興味なかったのに小栗旬がちょっと好きになりました。あれからずっと、小栗旬のモノマネばかりしています。というより、小栗旬のモノマネ芸人、おばたのお兄さんのモノマネをしています。

 

クソみたいな余談

岡田准一の妻役で長澤まさみが出ているんですが、化粧っ気はほとんどなく、髪もひっつめていて、服装も地味。いつものオーラは皆無です。

この長澤まさみを見て、「素材そのものは良いのに生活に疲れ、枯れている女」の放つ、なんともいえない魅力というものに目覚めてしまいました。

10代、20代の頃にこの長澤まさみを見ても「なんか野暮ったーい。地味~。やっぱ芸能人もメイクと衣装次第か~。」とか思ってただろうね。愚かだわ。ダイヤモンドは埃をかぶってもダイヤモンド。内なる輝きは隠せない。むしろ生活に疲れた女にしか出せない色気すらある。鈍い光を放つその佇まいがたまらん!!

 映画「モテキ」の衝撃から6年。当時の健康的で分かりやすい色気も最高だったが、今回はまた新たな境地を見せて頂いた。ごちそうさまでした。

 

ということで、私的には色んな収穫のあった良作でした。☆5評価するなら☆4てとこかな。